名大生の稀覯本日記

月に30~70冊ほど本を読むド暇名大生による、気まぐれな書評ブログです。

就活に役立つ本10選 ~就活時に読んでよかった本 最終章 後編 ~

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こんにちは。

 

今回は、「就活に役立つ本10選」の後編です。

まずは前回のおさらいからいきましょう。

 

 

 

 

1.前回までのあらすじ

 

前編では、

 

①『凡人内定戦略』武野光著 中経出版

②『若者はなぜ3年で辞めるのか 年功序列が奪う日本の未来』城繫幸著 光文社新書

③『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』小暮太一著 星海社新書

④「あらゆる就職情報は操作されている ブラック企業が仕掛ける就活のワナ~」恵比須半蔵著 扶桑社新書

⑤『内定童貞』『夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘中川淳一郎著 星海社新書

 

の5冊を紹介いたしました。 

活に役立つ本10選 ~就活時に読んでよかった本 最終章 前編 ~ - 名大生の稀覯本日記

 

 

 

2.就活に役立つ本10選 後編

 

⑥『銀のアンカー』三田紀房著 集英社

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トップバッターは、マンガ『銀のアンカー』。

これは、就活を控える大学生が、有名なヘッドハンター白川義彦に出会い、彼らに就活の指南をしていく、という物語です。この↑表紙の男が白川です。

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 ↑登場人物はこんな感じ。分かりやすく紹介すると

 

北沢さん・・・テレビ局を志望する。明るく前向き。

田中くん・・・特にやりたい仕事もない。自信がないけど、人柄がいい。

松本くん・・・学歴はよくないが、大手に行きたい。野心にあふれ、行動力もある

 

 

 

最初は就活のことを何にも知らない就活生諸君。彼らに対し、白鳥は実態を教えていきます。

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これは、就活の流れを解説したシーンですね。

 

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結構とがったことも言っていて、面白い。もちろん、書いてあることが全部正しい、とは言いませんが、参考になるアドバイスはちらほらあります。

読みやすい就活指南本として、一冊目これから読んでみるのもいいのでは? 

 

 

⑦『エンゼルバンク三田紀房著 講談社

 

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続いても、同じく三田紀房のマンガ『エンゼルバンク』です。

 

このマンガについては、Part4でも紹介しましたね。

誤解するな、面接は商取引だ ~就活時に読んでよかった本 Part4~ - 名大生の稀覯本日記

 

こちらのマンガは、『ドラゴン桜』の続編ということになっています。

 

東大入試が終わった後の龍山高校を舞台として、そこで働く英語教師、井野が主人公です。

井野は教師として働くさなか、自分のキャリアを見つめなおし、疑念を抱きます。

「あれ、私教師を続けてていいのか?」と。

 

結局井野は、同校の上司桜木に勧められ、桜木の知り合いである海老沢康生のセミナーに行くことに。そこで、転職の真実が語られるのです。

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「転職して、地味な教師から華々しいキャリアを…」なんて考えていた井野は、自分の転職観が大いに間違っていたことを知ります。

 

その後、井野は海老沢の経営する、転職サポート会社に転職することに。

アドバイザーとして成長する井野を中心に、就職や転職について知見が語られる…といったマンガです。

 

やはり、就職するうえで、「転職」についての知識も必要。それを、マンガで得られるという、画期的な本です。普通にストーリー自体も面白いし。

 

もし転職についてもっと知りたければ、転職反対派の人が書いた本と、転職賛成派の人が書いた本の両方を読むことをおススメします。

 

反対派、賛成派それぞれ一冊ずつ紹介しておきます。

 

【賛成派】

実は、Part4で紹介した、

『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』海老原嗣生著 プレジデント社

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の最終章に、転職の章が設けられています。

ここでは、人材のカリスマ海老原氏が、就職、転職の常識、定説を検証していきます。

 

・転職は増えている?

・若者は3年で辞めるようになった?

第二新卒(つまり、早期転職ですね)でのチャンスはそんなに多くない?

・人気企業に入れば人生は安泰?

 

これらの定説を快刀乱麻を断つかのごとく、ズバズバ斬っていきます。

そして、その結論として、

 

・日本は、昔から20代に転職を頻繁にする

・ただし、35歳を来れると転職は収まる

・その後、定年まで一社で働く人が多い

  『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』P.173より引用

 

といった事実を明らかにします。

そして、

 

・就活の時に不況でも、第二新卒と20代後半で2回好況はやってくる 

   『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』P.173より引用

 

と述べ、ステップアップのために転職を利用することを奨励しています。

気になった方は、詳しく読んでみるといいでしょう。

とにかく、『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』は、一度で二度おいしい本だということはわかっていただけたでしょうか。

 

 

 

【反対派】

『転職は一億円損をする』石渡嶺司著 角川oneテーマ21

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「新しいキャリア」などといった美辞麗句に踊らされた早期退職者の悲嘆を第1章で取り上げています。

その後、第2章で、具体的にどれくらい損をするのか、お勘定をします。(タイトルの数字はここで出てきます)

その後は、転職希望者をカモる転職ビジネスの実態を暴露しちゃいます。

 

うーん、これを読んだら転職しようと思っても思いとどまっちゃうような気も。

 

どっちが正しいのでしょうか。それぞれを批判的に読めるといいですね。

 

 

 

 

⑧『「手紙屋」 ~僕の就職活動を変えた十通の手紙~』喜多川泰著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

 

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以前、『夢をかなえるゾウ』(水野敬也著 飛鳥新社)という本がバカ売れして、ドラマ化しましたよね。

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イメージとしてはこの本。『「手紙屋」』は、同様に、

小説の体裁をとった自己啓発本 であるという点で似ています。

 

主人公の西山くんは、就活生。ふとした時に「手紙屋」というサービスを知ります。

 

手紙屋は、自分が最初に手紙屋に対して手紙を送れば、その後十通の手紙のやり取りを通じて、依頼主の夢の実現を手伝ってくれるというサービス。

 

最初はいぶかる西山くんですが、手紙を出し、就活についての悩みを相談してみることに。そこから、手紙屋との文通が始まります。

 

自分の知らない世界を教えてくれる手紙屋に心惹かれ、アドバイスにも耳を傾けるようになっていき…  といったお話です。

 

例えば手紙屋は、内定がすんなりもらえそうだったメーカーに結局落ち、就活が振出しに戻って落ち込んでいる西山くんに対して、「人生が思い通りにいく」ようになるために、こんなアドバイスを送ります。

 

それは、あなたの頭の中にいつも’’天秤’’を用意することです。

 

天秤の片方の皿の上には、あなたの手に入れたいものを載せます。そして、それと釣り合うものを、釣り合う量だけ、もう片方の皿の上に載せたときに、あなたの欲しいものが手に入るのです。

(中略)

多くの場合、人々は片方の皿の上に載せる努力が足りずに欲しいものが手に入らなかったことを「人生は思い通りにいかない」というのです。

そして、私の考える『本当のピンチ』の基準はここです。

つまり、自分が手に入れたいものに対して、反対の皿に載せているものが違っていたり、足りていなかったりするにもかかわらず、それが手に入ってしまうことが、人生の中では何度かある。それこそが『本当のピンチ』なんです。

(中略)

もし、あなたが成功の人生を送りたいと考えるのであれば、できるだけ失敗のないように内定をもらえるのをよしとする’’所属する場所探し’’ではなく、それがなくなるかもしれないという恐怖心に打ち勝ちましょう。せっかく一生に一度の機会ですから、誰よりも多くの逆境を集めて自分を鍛える目的で就職活動をしたらどうでしょうか。

  

 『「手紙屋」』P.102~106より引用 

 

自分はこの話が心に刺さりました。

まず、「いい企業に行きたい!」と思っているのに、何もお皿に置いていなかった自分に気付けました。

そして、あらゆる失敗を前向きに捉えることができるようになりました。

 

この本は、今というよりは、就活過渡期の4月~6月とかに読むといいかもしれません。新たな考え方も示してくれるし、こころを慰めてくれる。そして、まるで自分が手紙屋とやりとりをしているような錯覚に襲われ、人の温かさみたいなものを感じるかもしれません。

 

 

 

⑨『渋谷ではたらく社長の告白』藤田晋著 アメーバブックス

 

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こちらの本は、サイバーエージェントの社長、藤田晋氏による自伝です。

実は自分が選考を受けていたベンチャー企業の人事の方に勧めていただいて、読んだ本。

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サイバーエージェントは、ネット関連のサービスを中心に扱った会社ですね。

アメーバブログや、AWA、AbemaTV、それから「シャドウバース」などでおなじみCygamesもぜーんぶサイバーエージェントの事業です。

 

この会社は、ライブドア楽天などと同じ時期に急成長して、ヒルズ族などと呼ばれるようになったわけですが、それほどまでに会社を大きくできた背景には何があったのでしょうか?

 

クレバーな経営?画期的なサービス?

 

 

 

否。

 

 

 

天才的な才能で

死ぬほど働いた。

 

 

それが一番の原因だと、読んでみるとわかります。

 

 

 

藤田氏は、友達に「俺は21世紀を代表するバンドマンになる」と言われた時に、「じゃあ俺は、21世紀を代表する会社を作る!」と言っちゃいます。これ、完全に出まかせなんですよ。

 

そして、その約束を果たすことなく、大学を卒業し、新卒でインテリジェンス(現PERSOL)に入社します。

彼には、特殊能力があるようです。仕事に没頭できる、という能力です。

朝から晩まで、住み込みでも働きまくれる。

その特殊能力を使い、彼は一年目にして営業成績一位になります。

 

しかし、ここで突然例の約束を思い出します。

「あれっ、俺21世紀を代表する会社を作るんじゃなかったっけ?」

そして、結局会社を辞めて起業します。

いや、マジかよ。

しかも、業務内容を決めずに。

ソやろ、おい。

 

そこから、どうやって一部上場企業になったのか。この本を読んでも、残念ながらお世辞にもすごい秘訣みたいなことは書いてありません。ただ、藤田氏の信念の強さにビビり続ける、そんな本です。

 

この本から学んだこと。それは

仕事に没頭して、時間を忘れられるくらいになれば、最強だなということ。

 

これ、前編で『内定童貞』を紹介した際も、似たようなことが出てきましたよね。

「仕事をプレイとして楽しめばいい」

なんて言ってましたよね。

 

仕事をイヤなことだと思うから不幸なのであって、仕事にハマっちゃえば、暇なんてなくなるし、一日のほとんどの時間が楽しくなるわけだし。お金だって貯まる。

仕事も、その始点にある就活も、楽しめばいいんじゃね?藤田氏は、そう言ってる気がした。

 

現実問題、僕は彼みたいな特殊能力は持っていなかった。もしかしたらイケるかも?とか思ったけど、やっぱりリクルートスーツを着るだけで気持ちはなんとなく沈むし、何社も面接をはしごするとすごく疲れた。

 

でも、心構え次第で、少しは前向きになれる。それが、特殊能力者藤田氏から学んだ教訓だ。

 

 

 

※ちなみに、こんなストーリーです。退屈なわけありません。読み物としても普通におもろすぎます。個人的には自伝の古典的名著としてもいいくらい。

 

 

⑩『キレイゴト抜きの就活論』石渡嶺司著 新潮新書

 

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はい、ラストはオーソドックスなもので締めます。

 

作者は、もうそろそろ覚えましたかね。『就活のバカヤロー』の石渡嶺司氏です。

就活って、茶番だ。 ~就活時に読んでよかった本 Part3~ - 名大生の稀覯本日記

 

彼は、類著がたくさんあります。

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これとか、

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これとか、

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それからこれも読みましたね。

 

そして一通り読んで思ったことは、書いてあることがほぼ一緒!ということ。

(あ、もちろんその内容が悪い、と言っているわけではありませんよ。むしろ参考になりました)

 

ならば、その中でどれが一番いいんだ!というと、

上記の『キレイゴト抜きの「就活論』です。

 

まず、一番大きい理由は、なんといっても刊行が一番新しいこと。だから、載っている情報も一番新しい。

そして、それに伴って、一番手に入れやすい。これも地味に大事。

そして最後。この本には、巻末に優良企業リスト300社が載っている。これがデカい

 

僕らは、就活で企業を見る、とは言いますが、実際ほんっとにごく一部しか見れません。

そして、すごく悲しいことに、必ずしもいい企業から見れるわけではありません。

いい企業なのに知られていない、ということは就活では往々にして起こるのです。

ちょっと考えてみると、これは双方にとって超もったいない。

でも、これを打破する策は、企業側からすると難しい。

「うちの企業は優良ですよ!」なんて、どこも言ってるし、うさんくさい。

かといって広告を出そうと思っても、莫大な費用がかかる。その結果、結局いい企業なのに隠れたまま、ということはよくあることなのです。

 

どうすればいいかというと、それはやはり就活生側が情報感度を高めるしかないでしょう。

四季報を見たり、こういう優良企業紹介本などを見れば、普通の就活生の数歩先を行けます。

 

※もし、優良企業をもっと知りたい‼と思ったなら、こちらの本もおすすめです。

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『みんなが知らない超優良企業』田宮寛之著 講談社+α新書

 

(続編も出てます。)

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話がそれてしまいましたが、『キレイゴト抜きの就活論』のいいところをまとめておきましょう。

 

この本は、タイトルの通り、就活に蔓延る’’キレイゴト’’をハッキリと切り落としていきます。

 

学歴差別はあるのか?
企業は何を見ているのか?
ブラック企業と優良企業はどう違うのか?

などといった普遍的な就活のテーマを、本音で語ってくれます。

 

これまで何冊も就活本を勧めてきましたが、まず最初にどれを読めばいい?という質問に答えるなら、まずこれでしょう。

 

3.まとめ

 

それでは、今回紹介した本をまとめます。

 

⑥『銀のアンカー』三田紀房著 集英社

⑦『エンゼルバンク三田紀房著 講談社

⑧『「手紙屋」 ~僕の就職活動を変えた十通の手紙~』喜多川泰著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

⑨『渋谷ではたらく社長の告白』藤田晋著 アメーバブックス

⑩『キレイゴト抜きの就活論』石渡嶺司著 新潮新書

 

 

今回はこの5冊を紹介いたしました!

 

これにて、就活に役立つ本10選、もとい、シリーズ’’就活時に読んでよかった本’’完結です!

老婆心ながら、手探りで進めた就活(並びに就活本の開拓)を振り返って、後進の方々に何か残せたらと思いこのテーマで書いてみました。

 

これからも他のテーマで記事は書き続けていきますが、もし就活のことで聞きたいことなどがありましたら、このコメント欄に質問していただければ、答えられる範囲でお答えしますので、気軽に聞いてください!

 

それでは、また次の記事をお楽しみに!

 

 

銀のアンカー 全8巻完結セット (ジャンプコミックスデラックス)

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「手紙屋」

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キレイゴトぬきの就活論 (新潮新書)

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