名大生の稀覯本日記

月に30~70冊ほど本を読むド暇名大生による、気まぐれな書評ブログです。

漢検一級の中の掘り出し日本語

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漢検一級、受けてきました。撃沈しました。

 

こんにちは。

この前の週末、漢検一級を受けてきました。

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結果は、全然できませんでした。いやー、問題集は8割くらいできるように仕上げたんですけどねー…

「勉強なんて要領だぜ」なんて大言壮語をのたまっていたのに、恥ずかしい限りです(笑)

bookpotato.hatenablog.com

 

 

1.漢検の勉強、案外楽しい。

漢検の勉強をしていて思うこと。それは、

昔の人、なかなか気の効いたこと、言ってるやん!

です。

 

ちょっと漢検の事情について話しますが、準一級までは、まあ普段使ったり、本を読めば出てくる言葉が出題されます。

(例えば、「そもそも」の漢字とか。「宰相」の読み、とか。

ちなみに、答えは「抑」、「さいしょう」です。)

 

 

でも、一級になると、だいたい出典が中国古典文になります。

分かりやすく言えば、こんな感じです。

 

入試の時に、漢文ってやりましたよね。

そこに出てくるなんかやたら画数の多い漢字って、読みと意味が注で書かれてたじゃないですか。

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こういうのですね。ちょっと画質が荒くてすみません。

例えばここの最後の行の’’槁’’。これを読んだり、意味を覚えたりしてるのが漢検一級の世界だと思ってくれれば大丈夫です。

 

 

 

そうするとですね。まあ知らない言葉に大量に出会うわけです。

覚えるの大変だなぁ… なんて最初は思っていたわけですが、途中から考えが変わりました。

なかなか、面白い言葉がたくさんあるのです!

 

そこで、今回は、

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永江朗さんの「広辞苑の中の掘り出し日本語」に倣って、

漢検一級の中の掘り出し日本語」をやってみたいと思います!

 

(ちなみに、この本もめっぽう面白いです。もしこの記事を面白いと思ってくださった方がいたら、ぜひこちらも読んでいただくことをおススメします。)

 

 

では、始めますか!

 

 

2.蜀犬 日に吠ゆ

「しょっけん ひにほゆ」と読みます。

意味は、「無知のために、誰も疑問を抱かないようなことに疑問を抱くこと」

 

蜀(三国志でありましたよね!)では雨が降ることが多かったので、日が出ると犬が怪しんで、日に向かって吠えることからできたことばです。

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これ、すごく便利な言葉じゃないですか!?見つけたとき、ぼくはちょっと嬉しくなったのですが。

 

 

このコトバを思い出した、こんなエピソードがありました。

ぼくは塾でアルバイトをしているのですが、そこで高校生から、こんな質問がありました。

 

先生、be動詞って、自動詞なんですか?なんで他動詞じゃないんですか?」と。

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その子は、

I’m a student.

のような文を見て、後ろに名詞(student)が続いているのは

I have a dog.

みたいな他動詞の文と一緒じゃないか、と思ったそうです。

 

もちろんこれは全然性質が違います。深入りするのは避けますが、今回の例でいえばa studentは補語だし、 a dogは目的語です。あとは、補語と目的語の違いを説明したら、納得してくれました。

 

 

でも、こんな疑問は、変に文法を勉強してしまうともう湧いてきません。そうすると、

「じゃあ、補語と目的語ってどう違うんだろう?」

みたいな疑問は湧いてこず、結果的に浅い理解にしかならないこともあります。

 

そういう意味で、頭に知識が入っていない人が、当たり前のことに疑問を抱くことっていうのは、すごく創造的でいいことのように思えます。

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そんな素晴らしい状況ズバッとを表すいい日本語は、僕が知っている限りではありません。

 

そういう意味で、「蜀犬 日に吠ゆ」は、市民権を得てもいい言葉だと思うのですが、いかがでしょう。

 

 

3.好んで酒を飲むべからず、微醺にして止むべし

「このんでさけをのむべからず、びくんにしてやむべし」と読みます。

「醺」の字が難しいですが、見た目も読みも「薫(クン)」と共有しています。

意味は「すすんでお酒を飲むのはアカン。ほろ酔い程度でやめとけ。」ということですね。松尾芭蕉のコトバです。

 

個人的に、最近お酒にハマっていて、特にビールが大好きです。

クラフトビ―ルを買っては、家で一人で飲んでいます。

今日は、ライ麦でできたIPAを飲みました。ゴブレットグラスなんかも買っちゃって、いっちょ前に楽しんでいます。

 

そうやって、最近お酒の魅力を知るようになって思うのは、

昔はアホな飲み方してたなぁ ということです(笑)

 

自分はまだまだ飲めるぞと言わんばかりに、ホントは飲めもしないのに酔っていないフリをして、バカみたいに酒をあおっていました。もう後半からは、味も分からなけば翌日の記憶もありません。

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まあそういう飲み会も飲み会で楽しくないわけではないのですが、とにかく疲れるし、何より人に迷惑がかかります。

 

じゃなくて、おいしいお酒をおいしい料理と味わって、ほろ酔いになって少し胸襟を開いてお話しする。そんな飲み方が幸せだなぁと、ようやく気付くようになりました。

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最後に。最高にクレイジーな故事を紹介して終わります。

 

4.男女の淫楽は 互いに臭骸を抱く

「だんじょのいんらくは たがいにしゅうがいをだく」。

見た目のまんまです。どギツっ。説明するのは野暮でしょう。

今風に言えば、これを言った人は病んでいたのでしょうか。メンヘラ臭のぷんぷんする故事ですね。

 

 

5.まとめ

というわけで、今回は、「漢検一級の中の掘り出し日本語」として

  • 蜀犬 日に吠ゆ
  • 酒は好んで飲むべからず 微醺にして止むべし
  • 男女の淫楽は 互いに臭骸を抱く

の三つを紹介しました!

 

書いてて楽しかったので、またこのような記事を書くかもしれません!

 

 

広辞苑の中の掘り出し日本語

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